電話をしているときや、オンライン会議の途中で、こめかみや頭全体が痛くなったり、重くなったりすることはありませんか?
「仕事中だけ頭痛がする」
「会議が終わると、どっと頭が痛くなる」
そんな状態が続くと、「疲れているだけなのかも」と思いながらも、毎回のように起こることで不安になる方も少なくありません。
病院で検査をしても異常が見つからず、「肩こりでは」「目の使いすぎでは」と言われることもありますが、実は電話中・オンライン会議中の頭痛には、画面の見すぎ、イヤホンや音の刺激、姿勢の固定、緊張、自律神経の乱れ、対人ストレスなど、さまざまな要因が関わっていることがあります。
この記事では、西洋医学と東洋医学の両面から、「電話中・オンライン会議中に頭痛がする」原因と対処法をやさしく解説します。
「電話中・オンライン会議中に頭痛がする」とき、一般的に考えられる病気・診断名
「電話中・オンライン会議中に頭痛がする」場合、以下のような疾患や状態が関連していることがあります。
- 緊張型頭痛
長時間同じ姿勢で座り続けたり、首や肩に力が入ったまま話を聞いたりすることで、筋肉がこわばり、頭が締めつけられるように痛むことがあります。特に、会議中は無意識に身体を固めやすく、首肩こりが頭痛につながることがあります。
- 片頭痛
片頭痛は、画面の光、音の刺激、疲労、空腹、緊張などをきっかけに誘発されることがあります。オンライン会議では、画面を見続けながら相手の話に集中するため、刺激が重なって頭痛が起こりやすくなることがあります。
- 眼精疲労・VDT症候群
パソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けることで、目の筋肉や神経が疲れ、頭痛につながることがあります。特に、オンライン会議が続く日や、資料を見ながら会話する場面では、目の負担が大きくなりやすくなります。
- 顎関節症・噛みしめ癖
会議中や電話中に緊張すると、無意識に歯を食いしばったり、あごに力が入り続けたりすることがあります。この緊張がこめかみや頭の横の筋肉に影響し、頭痛として現れることがあります。
- 自律神経失調症
電話やオンライン会議では、相手の反応に気を配ったり、発言のタイミングを考えたりと、神経を使う場面が多くあります。こうした緊張が続くことで自律神経のバランスが乱れ、頭痛が起こることがあります。
- 聴覚過敏・音刺激による不調
イヤホンやヘッドセットの圧迫感、大きすぎる音量、雑音などが負担となって、頭痛が起こることがあります。音への敏感さがある方では、長時間の通話や会議で症状が出やすくなります。
電話中・オンライン会議中の頭痛は、単に「仕事の疲れ」だけではなく、視覚・聴覚・姿勢・対人緊張が重なって起こることが少なくありません。
そのため、検査でははっきりした異常が見つからず、「異常なし」と言われることもあります。
病院で「異常なし」と言われるときに考えられる要因
医学的に説明がつく要因(身体面)
電話中・オンライン会議中の頭痛には、検査で大きな異常が見つからなくても、身体の反応として説明できる要因があります。
- 画面の見すぎ・目の疲労:オンライン会議では、モニターを長時間見続けることで、目の筋肉や神経に負担がかかります。まばたきの回数が減ったり、画面の光を受け続けたりすることで、眼精疲労から頭痛が起こることがあります。
- 首肩のこり・姿勢の固定:会議中は、画面に向かって前かがみになったり、肩に力が入ったまま座り続けたりしやすくなります。こうした姿勢の固定が首や肩の血流を悪くし、頭痛を引き起こすことがあります。
- イヤホン・ヘッドセットによる刺激:イヤホンやヘッドセットを長時間使うことで、耳まわりの圧迫感や締め付け、音の刺激が負担になることがあります。特に、音量が大きすぎる場合や、片耳だけに負担がかかっている場合には、頭痛につながりやすくなります。
- 噛みしめ・表情筋の緊張:相手の話を真剣に聞いたり、自分の発言に集中したりしているときに、無意識にあごや顔まわりに力が入ることがあります。こうした筋肉の緊張が続くことで、こめかみや頭の横が痛くなることがあります。
- 空気環境・室温・換気不足:自室や会議室で長時間過ごすと、空気がこもったり、乾燥したり、室温が合わなかったりすることがあります。こうした環境の悪さが、頭の重さや不快感、頭痛につながることがあります。
- 水分不足・空腹・カフェインの影響:会議が続いて休憩が取れないと、水分補給や食事のタイミングがずれやすくなります。また、眠気対策でカフェインを取りすぎたり、逆に普段飲んでいるコーヒーが飲めなかったりすることも、頭痛のきっかけになることがあります。
これらは、どれも重大な病気ではないことが多い一方で、会議中の環境では頭や首、神経に負担が集中しやすい要因です。
そのため、検査で異常がなくても、頭痛が起こることは珍しくありません。
心身の反応による要因
(心・自律神経面)
電話中・オンライン会議中の頭痛は、身体の疲れだけでなく、心の緊張やストレス、自律神経の反応が関係していることもあります。
- 緊張・気疲れ
電話や会議では、相手の反応を気にしたり、発言のタイミングを考えたりと、思っている以上に神経を使います。こうした緊張が続くことで、自律神経のバランスが乱れ、頭痛につながることがあります。
- 評価されるストレス
上司や取引先との会話、大人数の会議、発表の場面などでは、「うまく話さなければ」「失敗できない」という気持ちが強くなりやすくなります。その緊張やプレッシャーが、頭痛として現れることがあります。
- マルチタスクによる脳疲労
オンライン会議では、相手の話を聞きながら、資料を見て、チャットを確認して、表情や反応にも気を配るなど、複数の作業を同時にこなすことが少なくありません。こうした脳の負担が積み重なることで、頭痛が起こりやすくなります。
- 予期不安
「また会議中に頭痛が出るかもしれない」と構えてしまうことで、会議の前から身体が緊張し、実際に症状が起こりやすくなることがあります。このように、不安そのものが頭痛を強めることもあります。
- オンライン特有の疲労
画面越しのコミュニケーションでは、相手の表情や空気感を読み取りにくく、無意識に集中力を使い続けることがあります。その結果、ふだんの対面会話以上に疲れてしまい、頭痛として現れることがあります。
- 自律神経の過緊張
会議中は交感神経が優位になりやすく、身体が「緊張モード」のままになりやすくなります。そのため、会議中だけでなく、終わったあとにどっと頭痛が出ることもあります。
電話やオンライン会議は、見た目以上に脳と神経を使う場面です。
「気にしすぎ」や「甘え」ではなく、心と身体が張りつめた結果として、頭痛が起こることがあるのです。
西洋医学の「異常なし」の
壁と東洋医学の役割
西洋医学での「異常なし」の意味
脳や血管、神経に明らかな異常がない場合、検査結果としては「異常なし」と説明されます。
これは重大な病気が隠れていない可能性が高いという意味ではありますが、それは「不調が存在しない」という意味ではありません。
西洋医学では、眼精疲労、緊張、音や光への過敏さ、自律神経の乱れなどを“数値化”しにくいため、「異常なし」とされやすいのです。
一方で、患者さん本人は確かにつらさを感じているという状況です。
東洋医学が着目するもの
東洋医学では、電話中・オンライン会議中に起こる頭痛をストレス、緊張、疲労のたまり方、首肩のこり、体質的な偏りも含めて捉えます。
- 気滞(きたい):ストレスによって気の巡りが悪くなり、頭や胸のあたりが詰まるような不快感や重さが出やすい状態。
- 気逆(きぎゃく):緊張によって気が上にのぼりやすくなり、のぼせ感や頭の張り、イライラを伴う頭痛として現れる状態。
- 瘀血(おけつ):首肩こりや血流の滞りによって、重だるい頭痛や慢性的な痛みが続きやすい状態。
- 肝陽上亢(かんようじょうこう):ストレスやイライラによって頭に熱がこもりやすくなり、頭痛や目の疲れ、のぼせなどが出やすい状態。
- 脾虚・気虚(ひきょ・ききょ):疲れやすく、長時間の会議や気疲れで消耗しやすい体質。集中が続くとエネルギー不足になり、頭痛やだるさとして現れることがあります。
漢方では、「加味逍遙散」「釣藤散」「半夏厚朴湯」「桂枝茯苓丸」などを用いて、気・血・水や自律神経のバランスを整え、身体全体の巡りを改善することを目指します。
一時的な対処法・セルフケア
一時的なセルフケアとして、以下のような方法があります。
- 画面との距離や明るさを見直す
- 1時間に1回は目を休める
- 会議の前後に首や肩を軽く回し、ストレッチする
- イヤホンやヘッドセットの圧迫感、音量を見直す
- 水分補給を意識する
- 会議が続く日は、意識して休憩を入れる
- 噛みしめに気づいたら、あごの力を抜く
- 深呼吸をして、交感神経の高ぶりを落ち着ける
- 「毎回こうなる」と思い込みすぎず、負担を減らす工夫をする
これらのケアを行うことで一時的に楽になることもありますが、根本的には体質や自律神経の乱れ、心身の緊張の癖を整えることが大切です。
そのためには、身体と心を総合的に診る医療が有効です。
病院にかかるべきタイミング
下記のような状況の場合、受診のタイミングです。
- 電話やオンライン会議のたびに頭痛を繰り返す
- 吐き気・めまい・しびれ・視界異常・耳鳴りなどを伴う
- 市販薬が効かない、または使う回数が増えている
- 仕事や会議への参加に支障が出ている
- 会議が終わったあともしばらく頭痛が続く
- 今までにない強い頭痛が急に起こった
症状が軽くても、「会議や電話のたびに頭痛が出る」という時点で受診のサインです。
我慢せず、まずは相談することが回復への第一歩です。
受診先の選び方
初めて受診する場合
まずは、脳や神経、血管などに重大な異常がないかを確認することが大切です。
そのため、初めて受診する場合は、脳神経内科や頭痛外来、内科などが候補になります。
また、目の疲れや見えづらさが強い場合は眼科、耳の違和感や音刺激のつらさが強い場合は耳鼻咽喉科も候補になります。
そのうえで、「電話中」「オンライン会議中」「画面作業のあと」など、起こる状況を具体的に伝えることが大切です。
他院で「異常なし」と言われた場合
自律神経・生活背景・体質まで含めて、西洋医学+東洋医学の両面から診ることができる総合診療のできる医療機関への相談をおすすめします。
気血水の流れや心身のバランスを整えることで、再発を防ぐ根本治療が可能です。
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○:金曜日の診療時間は9時〜12時、13時半〜17時
□:土曜日の診療時間は13時半〜19時半
※:国立精神・神経医療研究センターからの派遣医師による診療
【休診日:土曜午前、日曜】